令和6年度現在、名古屋市緑政土木局では、道路橋1360橋を管理しています。道路橋の多くは、昭和40年代から50年代の高度経済成長期に建設されており、約38%が建設後50年を超え、今後、橋梁の高齢化が急速に進んでいきます。
建設後50年以上の橋梁の推移
現在(令和6年) 10年後(令和16年) 20年後(令和26年)
それらの橋梁が一斉に更新の時期を迎え、維持管理に係る費用が膨大となることから、維持管理計画を策定して、定期的な点検と計画的な補修工事を行うことにより、橋梁の長寿命化、維持管理費の縮減・平準化に取り組んでおります。
また、今後の維持管理にかかるコストの縮減や事業の効率化につながるよう、点検や補修工事に適用する新技術の活用検討を行っております。令和6年度より職員で行う巡視員点検においてタブレット端末を導入し、点検作業の効率化や帰庁後の整理業務の省力化を検討しておりました。
そのような中、スパイダープラス株式会社より、同社が有する「SPIDERPLUS for Civil」を活用することで、橋梁点検の内業で行う『写真管理及び帳票作成作業』が省力化できるのではないかとご提案を頂きました。そこで、道路橋の巡視員点検を対象に試行を実施しました。
試行期間は、令和6年10月~令和7年1月までの3ヶ月間実施しました。試行内容は、巡視員が3橋を対象にタブレット端末のアプリ「SPIDERPLUS for Civil」を用いて現地で写真撮影を行い、内業ではデスクトップ用ソフトを用いて写真整理、帳票出力を行いました。
試行結果として、タブレット端末用アプリの機能を用いることにより、現地で位置図に写真の撮影位置を登録しながら撮影を行うことが可能であり、さらには2点の座標を登録することによりGPSを用いて写真撮影時に撮影位置と方向自動配置するため、撮影位置図の作成が不要となりました。
内業では、デスクトップ用ソフトを用いることで、現地で撮影した帳票写真の並び替え、不要である写真の削除など、写真整理を容易に行うことができ、写真整理の作業時間を縮減できました。また任意様式の帳票出力が可能なため、名古屋市の点検帳票を自動出力することで帳票作成時間の短縮となりました。
今後も、本市が管理する道路橋を適切かつ効率的に維持管理できるよう取り組んでいきます。
担当課 | 緑政土木局 橋梁施設課 |
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